「都市居住に自然を取り戻す」
大都会のど真ん中、神田淡路町のビル街に建つ小さなコンクリートの家。家族4人が手に入れた敷地は、東西南を建物に囲まれた、幅は3.6m、奥行き10m、うなぎの寝床状の小さな場所だった。都市を象徴するような場所で得られる豊かさとはどのようなものだろう。
建物の幅は約2.8m。リビングダイニングを3Fに配置している。天井高さ約4mのリビング、1.8mてのロフトが、 階段とトップライトを介して、屋上と繋げられている。北側接道、東西南を2〜30cmの離角距離で高さ10m以上の建物に囲まれているこの敷地において、屋上は、唯一得られる外部空間である。屋上には、空に輪郭を与えるようにスチールフレームが作られた。屋上はしばらくすると緑で覆われ、一つの部屋になるだろう。面としての屋上緑化ではなく空間、緑に縁取られたもう一つの部屋として屋上空間を作ることを提案した。RC外断熱、吹き抜け階段チムニー、トップライト、ハイサイドライトにより、光・風を常に感じられる。都市住宅に外部空間を取り戻す小さな試みである。
所在地 | 東京都千代田区 |
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用途 | 住宅 |
構造・規模 | RC造 地上3階建て |
建築面積 | 26.50㎡ |
延床面積 | 81.59㎡ |
敷地面積 | 36.09㎡ |
共同設計 | 楯列哲也+杉浦良和 |
TEAM | 構造設計:杉浦良和 |
掲載 | Venice2016 作品集「TIME SPACE EXISTANCE」 |
出展 |
2016年 ヴェネツィア・ビエンナーレ国際建築展2016 「There and Now: the Japanese housing scene」展 2017年 ヴェネツィア・ビエンナーレ国際建築展2016 帰国展 「いま、そこにある、住まいの風景」展 |
受賞 | 2017年 住まいの環境デザインアワード2017 入賞 |
PHOTO |
3-10 / HIROKI KAWATA 11-17 / KENGO NISHIO 1,2,18 / AKITO YAMAGUCHI |